ザインエレクトロニクスは、LSI事業とAIOT事業の2つの主要な事業セグメントを持っています。LSI事業では、独自のアナログ設計技術と論理設計技術を活用し、特定用途向け標準品（ASSP）としてミックスドシグナルLSIを開発し、自社ブランドで販売しています。また、製品開発で得られた回路設計資産（IP）をライセンスする事業も展開しています。

LSI事業の具体的な製品には、V-by-One®HSやLVDS規格品などの高速画像データ伝送LSIがあります。これらは事務機器、アミューズメント、セキュリティカメラ、車載機器、薄型テレビ、液晶パネル、パソコンなどの市場で使用されています。これらの製品は、高速処理能力、低消費電力、低コスト化、耐ノイズ性能、小型化、長距離伝送に対応しています。

また、デジタル画像データ伝送LSIと液晶パネルコントローラをワンチップ化したLSIや、電源制御用LSI、LEDドライバ、電源モジュールも開発・販売しています。さらに、画像処理用LSI（ISP）は、産業用カメラ、セキュリティカメラ、車載カメラなどの市場で販売されており、オートフォーカスや霧補正、動画手振れ補正、顔検出機能などを搭載しています。

AIOT事業では、AI/IoT/M2M機器やモバイル通信機器のハードウェア・ソフトウェアの開発・製造・販売を行っています。キャセイ・トライテック株式会社を中心に、AIおよびIoT活用分野でのイノベーションを推進し、新たなソリューションを提供しています。具体的には、SIMCOM社製の無線通信モジュール製品を日本市場向けに適合させて販売しています。

さらに、4G/5G/LTE通信モジュールを基にした通信ゲートウェイやモバイルルータ―などのネットワーク製品を開発・販売しています。また、AI技術を活用した遠隔監視や可視化ソリューションの開発も行っており、ソフトウェアからハードウェアまでワンストップで提供しています。ザインエレクトロニクスは、製品企画と開発を自社で行い、製造は国内外のファウンドリーに委託するファブレスメーカーとして活動しています。販売は直販または販売代理店を通じて行われています。

ザインエレクトロニクスは、研究開発型のファブレスメーカーとして、独自のアナログ設計技術を活用し、高付加価値な半導体技術を核としたソリューションを提供しています。同社は、AIおよびIoT分野でのイノベーションを加速し、世界市場に革新的な付加価値を提供することを目指しています。

同社の中期経営戦略「Innovate100」は、2025年度から2027年度までの期間を対象とし、AI活用ユースケースの適用加速を通じて経済社会の生産性向上に貢献することを目指しています。この戦略の一環として、2027年度に売上高100億円超を目指しています。

具体的な施策として、ザインエレクトロニクスは「Interface to the Future」を基盤に、独自のソリューションを世界市場に提供することを目指しています。また、LSI、AIOT、サーバーの3つのビジネス間でのシナジーを強化し、新たなソリューション開発に積極的に取り組んでいます。

さらに、ザインエレクトロニクスは他社とのコラボレーションやアライアンスを積極的に探索し、新事業の開拓を進めています。これにより、中期経営戦略「Innovate100」の達成を目指し、企業価値の拡大と社会貢献を実現したいと考えています。